(写真は、
「フォーブス」より)
レンツォ・ロッソ Renzo Rosso(1955年9月15日生まれ)。イタリアのアパレル・ブランド「ディーゼル」(Diesel)の共同創業者です。
「フォーブス」の最新の世界の億万長者特集(2013年)では、資産30億ドル(2850億円、1ドル=95円換算)の大富豪とされています。
ロッソは、イタリア北部の農村生まれ。学校を卒業してしばらくは両親の農作業の手伝いをしていましたが、農家を継ぐのでなく違う道を進みたいと思いテキスタイルの専門学校に入学します。在学中の15才の時から、ジーンズを手作りし、友人にあげたり校内で販売したりしていました。1973年にヴェニス大学経済学部に進学していますが、両親の農作業を手伝うかたわら、メカニックや大工の仕事をして学費を稼いでいました。
大学は、結局、2年で中退することになり、下請け服飾メーカー「モリテックス」に入社しています。ここで親会社「ザ・ジーニアス・グループ」経営者のアドリアーノ・ゴールドシュミットと出会い、2人は後に「ディーゼル」の共同創業者となっています。
ちなみに「ディーゼル」というブランド名の由来は、ディーゼルがガソリンの代替燃料であることから他の有名ジーンズブランドの代替ブランドであることを意味し、かつディーゼルという言葉が世界共通語で同一発音であることから取られたとのことです。
1985年、ロッソは「ディーゼル」の株式をすべて買い取っていますが、当時の年商は5、6億円程度でした。海外展開は91年から。その後、バッグ、アクセサリー、靴、さらにはホーム・インテリア市場に参入するなど急速に事業を拡大しています。
ディーゼルは、2012年時点で年商20億ドル(1900億円、1ユーロ=95円換算)の巨大ブランドに成長しています。
年商の割に推定個人資産が大きく不思議な気がしますが・・・。
ロッソは自身の持株会社を通じて、過去10年間の間にヨーロッパの新興及び中堅ブランドに投資を続け、パリの「マルタン・マルジェラ」、アムステルダムの「ヴィクター&ロルフ」、ミラノの「マーニ」などの大株主になっています。この持株分の資産評価が加算されているためです。
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◇ “I expect them to work like I work, with an incredible passion and love, then everything comes easy and nice.”
「彼らも、私と同じように、信じられないくらいの情熱と愛情で働いてくれることを期待している。それによってすべてが簡単かつうまく実現する。」
◇ "I think designers are opening up their capital earlier now because they understand that it allows them to grow faster."
「デザイナーは、早い段階から資本投入することを考えるようになっていると思う。なぜなら、それによってより早く成長できることを分かっているからだ。」
◇ "It's a cultural sea change when you can come up with an idea, actualize the idea, monetize the idea and become a billionaire by your 40th birthday. That just didn't happen in the pre-Microsoft era."
「文明の変革で、
アイデアを着想し、実行に移し、金に変え、40才の誕生日までに億万長者になることができるようになった。マイクロソフト登場以前には、そんなことはありえなかった。」
◇ “Well I grew up in the rock and roll era, listening to artists like Black Sabbath and The Sex Pistols. A lot of this rock and roll attitude has definitely played a big part in what Diesel has become. ・・・・
「私はロックンロールの時代に育った、ブラック・サバスやセックス・ピストルズといったアーティストを聞きながら。明らかにロックンロール的な姿勢は、今日のディーゼルで重要な役割を担っている。」
◇ “(Be honest, did you ever imagine Diesel getting this big?) I think most people dream of being big of course, but they never really believe it until they hit that turning point. Once I knew I had established my brand, I could really focus on making it as big as I could. That is an amazing feeling, a feeling that I will never forget. While it felt like forever when it was happening, looking back it feels like it happened overnight.”
「(正直、ディーゼルがここまで大きくなると創造していたか?)たいていの人はもちろんビッグになりたいと夢見ているが、転換点にたどり着くまでは本気でそれを信じていない。
私自身のブランドを作り上げた時、できる限り大きくすることにひたすら専念できるようになった。決して忘れることができない驚くべき感覚だったよ。ブランドが大きくなっていく過程は永遠のように感じたが、振り返ってみれば一夜にして起こったような感じがする。」
◇ “(“What do you attribute to this success?”) One thing that we have always tried to be with Diesel is pioneers. We are always introducing new, modern, different, fresh, and rebellious products that take both denim and the people wearing it to a whole new place. I think the two biggest keys to our success were our vintage denim and the way we changed the way we communicated with our customers. Our vintage denim was something that no one else was doing at the time. We were the only ones able to produce a denim that had a look and feel of a great vintage pair of denim. This really helped to launch both Diesel and the industry into a new way of production. As I mentioned, our communication methods changed too. Most people were going direct saying ‘Here’s the product, buy it’. We decided to get away from that, and find a whole new way to communicate with our people. We decided to communicate through other people, the people our customers were listening to. We started working with celebrities, musicians, athletes to communicate in a more subtle way.”
「(ディーゼル成功の要因は何か?)ディーゼルがそうありたいと常に努めているのは、
パイオニアであることだ。常に、新しいもの、モダンなもの、違ったもの、新鮮なもの、反主流のものを投入し続ける、デニム自体もそれを着る人もまったく新たな地点に連れていくような商品だ。我々の成功には2つの鍵がある。ヴィンテージ・デニムと、顧客とのコミュニケーションのあり方だ。当時、誰も我々のようなヴィンテージ・デニムを作っていなかった。素晴らしいヴィンテージもののデニムのように、見栄えがして着心地がいいものを作れたのは我々だけだった。ディーゼルにとっても業界にとっても新たな生産方式が生み出されることになった。さきほど述べたように、コミュニケーションの方法も変革した。たいていの人は、『商品がある、買おう』といった直接的な購買行動をとる。それを変えようと決断し、コミュニケーションのまったく新しい方法を見つけだした。我々は購買者に直接コミュニケーションをとるのでなく、
購買者がその声に耳を傾ける人たちを通してコミュニケーションを行おうと決めた。セレブ、ミュージシャン、アスリートと共に、より緻密な方法でコミュニケーションをとることを始めたんだ。」
"I recently met with the Dalai Lama and he told me ‘Use your brand and your face to show the work you have done. You have the power to inspire others, and you should take pride in what you have done.’ I have learned from that and plan to use my face and my power to send a positive message. In fact, we are currently working on building a village in Africa.”
「最近ダライ・ラマと会った際、言われたのが『ブランドと自分自身を使いこれまでやってきたことを示せ。あなたには人を鼓舞する力があるのだから、これまで成し遂げてきたことに誇りを持つべきだ。』ということだった。その言葉から学び、自分自身と私の力を活用し、ポジティブなメッセージを伝えようと計画した。実際、今、我々はアフリカに村を作っているところだ。」
"(What ‘lifestyle’ does the Diesel brand promote?) In two words ‘successful living’ (this is Diesel’s tagline). We appeal to an intelligent consumer who shows their character not just through their clothes but more and more through their home too. We don’t tell people they have to only wear Diesel clothes or live with Diesel homeware, it’s about giving them a choice of original designs that aren’t just luxury but are very good quality that they can pick and choose from."
「(ディーゼルはどのようなライフスタイルを提唱しているのか?)2つの単語『サクセスフル・リビング』(ディーゼルのタグ)だ。我々は。服を通じてだけでなく、自身の家を通じて自分を表現しようとする知的な消費者に訴求している。ディーゼルの服だけを着なくてはならないとか、ディーゼルの家具だけで生活しろとは言わない。我々は、ラグジュアリーなだけでなくクオリティが非常に高いオリジナルデザインを彼らが選択できるようにしているのだ。」
"(Do you really feel the same people who buy Diesel jeans will buy a Diesel sofa too?) People approach lifestyle in a very different way now. Consumers fall in love with a brand and it’s important for a brand to develop and stretch itself to provide for their consumers. I don’t suspect that a customer will walk into a store to buy a pair of jeans and end up buying a sofa, but like I said before it’s about providing our loyal consumers with a choice to create a lifestyle."
「(ディーゼルのジーンズを購入している人がディーゼルのソファも購入すると本当に感じているのか?)ライフスタイルに対してはさまざまな姿勢がある。
消費者はブランドに恋をするのだから、ブランドを発展、拡張させ消費者に提供していくことは重要だ。ジーンズを買いにお店に入った人がソファを買うことになるということも考えられると思うが、先ほども言ったように、お客さまにライフスタイルを作るための選択を提供しているということだ。」