2013年02月27日

全財産の半分以上を寄付し続けるドミノ・ピザの創業者 - トム・モナハン

TomMonagham.jpg

(写真はニューヨークタイムズ記事より)


トム・モナハン Tom Monaghan(1937年3月25日生まれ)。宅配ピザチェーンを全世界で展開するドミノ・ピザの創業者です。

熱心なカトリック教徒で自身の財産の少なくとも半分を寄付することを公式に宣誓しています。ビル・ゲイツ夫妻、ウォーレン・バフェットが提唱する「寄付の誓い」(Giving Pledge)にトム・モナハンもサインしています。これは生前もしくは死後に、全財産の少なくとも半分を寄付するというものです。

ちなみに、映画監督のジョージ・ルーカス、メディア王マイケル・ブルームバーグ、オラクル創業者のラリー・エリソンらも参加しています。

トム・モナハンの個人資産がどのくらいあるかははっきりと分かりませんが、2005年のビジネスウィーク誌の推定では5億ドルとされていますが、その時点ですでに4億5100万ドルを寄付しています。

トム・モナハンは、寄付を盛んに行う理由をこのように述べています。

"I came into the world penniless and as a Catholic Christian, I know that I cannot take any of it with me, so it has long been my desire to use the material resources that I have been blessed with to help others in the most meaningful ways possible,"

「私は貧しいカトリック教徒としてこの世に生まれた。死後持っていけるものではないことは分かっているのだから、幸運にも私に授けられた物質的な資源を、可能な限り最も意味のある方法で他の人たちを援助することに使いたいというのは私の長年の願いだった。」

父親はモナハンが4才の時に他界。一家は貧しく母親の手で育てるのは困難で、1943年6才の時に弟とともに孤児院に入れられ、49年に母親に引き取られています。建築家を目指して59年にミシガン大学に入学しますが、在学中に、弟のジェームズと地元の小さなピザ屋「ドミニック」をわずか500ドルで買収しています。

これは学費を稼ぐためだったと言っていますが、あてがはずれ、このピザ店は慢性的に赤字が続き、勉学どころではなくなってしまいます。

その後、「ドミノズ・ピザ」(現在も Domino's Pizza が正式名称です)と店名を変え、弟のジェームズが持つ半分の株式をフォルクスワーゲン・ビートルと交換し、あるアイデアを実行します。それは、多様化していたメニューをピザ一本に絞り、宅配用のピザ容器を開発し、大学キャンパスへの宅配を始めたことです。このピザ容器は当時としては革命的で、保温性に優れ、潰れにくいのでピザをたくさん重ねて一度に多くの顧客に巡回配達ができたのです。

創業から54年を経た2013年2月27日現在、「ドミノ・ピザ」は全米及び70カ国に直営店とフランチャイズ店を合わせ 9,742 店舗を展開する巨大企業となっています。2004年7月には株式公開を行い、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の上場企業となっています。

トム・モナハンの個人資産は、現在およそ10億ドル(930億円、1ドル=93円で換算)と推定されています。もちろん資産の少なくとも半分を寄付し続けてきての数字です。


************************************


"I think people are at their best when they… love their work."

「人は、好きな仕事をしている時が一番だ。」


"Life is too precious to be wasted in doing work you don’t love."

好きでもない仕事をして無駄に過ごすには人生はあまりにも貴重だ。


"I believe in deeds, not words."

「私は、言葉ではなく行動を信じる。」


"I have a lot of dreams, and I don’t think I’ll ever achieve them all. I hope not. I don’t like having to think about a day when I might stop having new ones."

「私には夢がたくさんある。すべて達成できるとは思わないし、そうであって欲しい。もうやることがなくなってしまう日が来るなどとは考えたくない。」


"Everything we established in our first twenty years was merely a foundation. The rest, the entire superstructure of the company, was built in six short years."

「最初の20年間をかけて築き上げたものはすべて、単なる基盤づくりだった。会社の素晴らしい企業構造は、その後のわずか6年で作られたものだ。」


"Failure shows you how to do something right."

失敗することで、うまくやる方法が分かる。


"It isn’t enough to know what you want: You have to make sure that the people who can get it for you know you want it."

「自分がやりたいことを分かっているだけでは十分ではない。それをやってくれる人たちに、あなたのやりたいことを理解してもらわなくてはならない。」


"Success was merely a matter of time and effort."

成功は、単に時間と努力の問題である。


"I believe in aiming high. If you do, you’ll stretch yourself to do better than you would if your goal were something easily reached."

「目標は高く掲げるべきだと信じる。そうすれば、ゴールが簡単に達成できる場合よりも、さらにいっそう頑張ることになるからだ。」


"I’ve always believe that the best plan is something you came up with through trying and failing."

「時には試行錯誤の結果、最良のプランが生まれると信じる。」


"I’ve always said that if you just take care of every single customer, your business will grow by 50 percent a year."

「すべてのお客さま一人一人を気にかければ、ビジネスは年率50%の勢いで成長するとずっと言い続けてきた。」


"I’m a firm believer in keeping a business simple."

ビジネスはシンプルさを保つべきだとかたく信じている。


"My philosophy of management is to let my executives do their job their way."

「私の経営哲学は、エグゼクティブには仕事のやり方は任せろということだ。」


"Every time I suffer a setback, I find myself thinking instinctively, How can I capitalize on this?"

「逆境にある時、どうやったらこの状況を金に変えることができるかと、いつも本能的に考えてしまう自分に気がつく。」
posted by カイト at 23:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 料理人、食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は夫の仕事で、1977年から2000年までアメリカミシガン州に住んでいました。ファーミントンヒルズにいた時は、隣(といっても林を隔てて)がモナハンさんのお宅でした。犬が横切ってモナハン邸のテニスコート (3面?あった)に行ってしまうので、車で回って追いかけて引き取りに行きました。近所のみんながトムトムと言っていた彼はデトロイトタイガースのオーナーになっていた頃です。娘たちがアンバーのミシガン大学にいたので、この記事を読んでとても懐かしくなりました。遠い昔のお話ですがトムがまだお元気だと知り嬉しくなりました。
Posted by 大庭ひろこ at 2024年09月08日 02:36
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック