アマンシオ・オルテガ Amancio Ortega(1936年3月28日生まれ)。スペイン発のファッション・ブランド ZARA を展開する「インディテックス社」(全部で8ブランドを展開しています)の創業会長です。
現在も、同社の株式の59%を保有し、2013年3月現在の個人資産は570億ドル(約5兆4000億円、1ドル=95円換算)に達し、世界第3位の大富豪となっています。
インディテックス社の上場は2001年で、上場時点でのオルテガ氏の個人資産は 66億ドルでしたから、この10年間の世界展開のスピードのすごさにも驚かされます。さらには中国など新興市場への積極的な展開により、なんと2012年から2013年のわずか1年で約2兆円も個人資産を増やしています。
オルテガ氏の富の源泉は、アパレル事業にとどまりません。欧州の景気低迷期に底値で多くの不動産を購入しています。その価値は、現在 40億ドル(3800億円、1ドル=95円換算)以上とされ、グーグルが入居しているマドリッドの43階建て高層ビル「トーレ・ピカソ」を初め、ロンドン、シカゴ、サンフランシスコ、ニューヨークなどに資産価値の高い選りすぐりの物件を保有しています。
そんなアマンシオ・オルテガは、鉄道作業員の父と家政婦の母親の下に5人兄弟の末っ子として生まれています。中学校卒業後すぐに地元の縫製店で働き始めています。1963年に27才で独立し、親族と部屋着と下着の専門店をオープンさせています。現在のZARA の製販一体型の経営はこの当時から始まっていました。
ちなみにZARA の記念すべき第1号店のオープンは、1975年。10年後にスペイン国内で38店舗を構えた時点で、ZARA の企画、生産、物流、販売までを総括する「インディテクス社」を設立しています。以降は、ヨーロッパ、アメリカ、中近東と次々に展開、97年には日本で第1号店をオープンさせ、2011年時点ですでに全世界で5000店舗を超える巨大ブランド帝国を築き上げています。
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"We cannot limit ourselves to continuing on the path we have already opened…"
「ここまで切り開いてきた道を我々が進み続けるとは限らない」
"One thing hasn’t changed – the innovative spirit and urge for improvement that was the driving force back then."
「ひとつ変わらないことは - 当時から革新的な精神と改善への情熱が原動力だったということだ」
"[In 2003] The key part of Inditex’s business model is its human capital."
「インディテックス社のビジネスモデルの鍵は、人材にある。」
"Companies are comprised of human beings without the effort, professionalisms and motivation of whom, no achievement could be made."
「企業というものは人間から成り立っている、努力、プロフェッショナリズム、モチベーションなくして、いかなることも達成できない」
"Innovation and commitment towards our customers define our corporate culture…"
「革新そして顧客へのコミットメントが我が社の企業文化である」
"Just as we did in that first store which opened its doors… 25 years ago, we will expose ourselves daily to public scrutiny and attempt to seduce the customer with the latest fashion, the finest design, and the most attentive service."
「25年前・・・かつて最初の店舗を開店した時から変わらず、日々人々観察眼に自らを晒し、最新のファッション、最高のデザイン、最良のサービスで顧客を魅了し続けていく」
"The good governance of the company – and a transparent decision – making process – is inscribed in the very culture of our group."
「優れた企業統治 - そして意思決定の透明性 - こそが我が企業グループの文化として刻み込まれている」
"The problem of succession in businesses anywhere in the world arises from the fact that not all legal heirs are suitable."
「世界中のどこであれ、事業継承における問題は、子供たちが必ずしも適任とは限らないことにある。」